狛江市は都心に近いものの、駅から10分程歩いたエリアには畑や緑地が点在し、多摩川が近く、閑静で暮らしやすい土地と感じています。
しかし、駅前に目を向けると放置自転車が多く、乗用車の交通マナーも悪い。日本の都市における慢性的な問題点を抱えています。
さらに駅前広場はくつろげるスペースが乏しく、駅前付近には公園が無い。
どうしたら解決できるのか。
そこで狛江に住み、利用する中で気がついた問題点を挙げてみました。
それに対するアイデアを提案として挙げています。これは数あるアイデアの一つであり、既に議論されていることも含まれていると思います。また中には新しい提案、キーワードもあるのではないかと思います。
公共のスペースをつくる上で、自治体が市民の意見を取り入れ、自治体が事業を行うことが従来の一般的な方法です。
しかしこれからは市民のアイデアから始まり、市民同士・自治体・専門家が議論を重ね、新しい公共スペースをつくり上げる方法が主流になると考えています。
議論を会議室中心に行うのではなく、インターネット等の技術を用い、特に若い世代が積極的に気兼ねなく参加できる枠組みをつくり、何かを変えることが出来るならば、それが街や公共空間あるいは政治などの興味につながると考えています。そして若い世代を組み込むことで、持続可能性を持った街づくりとすることが出来るのではないでしょうか。
おそらく放置自転車やゴミのポイ捨てなどは、公共空間に対しての無関心・無責任からくるものだと考えています。
みんな停めているからいいだろう‥、だれかが掃除するからいいだろう‥。
駅前空間が自分のリビングなら、自らの意思で変えることが出来るなら、そこに関心と責任が生まれるのではないでしょうか。
住みたい街といえば狛江と言われる街づくりを押し進めていきましょう。
目の錯覚を利用した道路標示の設置や、ロードハンプ・減速帯(速度を抑制するために設ける突起)の設置、またはイメージハンプ(舗装の色や素材を変えて運転者の注意を引くもの)の設置により車の速度を下げる工夫をする。また、美観にも注意する。
②マルシェ・ATM 出入口付近ではイメージハンプを設置しているが、風化していてアスファルトとのコントラストが無く効果が薄い。
▲目の錯覚を利用した道路標示設置
▲ロードハンプ・減速帯
▶車は一旦停止の白線で止まらず、そのまま歩道のインターロッキング(レンガタイルのような舗装)の部分まで侵入する場面もある。また、ふれあい側道と直交する道からの車も速度を落さない場面を見受けられる。
花壇が設置されているが、美観的な考慮がほぼなされていない。高架下の室外機置場も美観的な考慮がなく改善が望ましい。たとえば‥グリーンカーテン。
ピーク時規制や休日規制など。
駅前同様にふれあい側道を全てインターロッキングで敷設し、基本的には全て歩道とすることで歩行者が駅まで快適に歩くことが出来るようにする。
トランジットモールを導入する。
国土交通省 歩行者・自転車優先のみちづくりのホームページ
http://www.mlit.go.jp/road/road/yusen/transit/index.html
①と同様に速度を抑制する仕掛けを設置する。また、通行者側にも注意を促す仕掛けを設置。
(文字だけの警告看板は効果が薄い。)
①の交差点同様に歩行者優先の原則が成立しておらず、車が通り過ぎるのを歩行者が待っている場面が見受けられる。
▶数分観測しているだけでも、速度を落さない乗用車を見受けられる。
マルシェやATM利用者、あるいは駅前商店や駅利用者は事故に合う可能性があり、特に子供の飛び出しには注意が必要である。
放置自転車が多く、それを取り締まるフェンス・花壇・警告看板などが散在している。放置自転車を規制するため花壇が駅前の通路を封鎖しており、歩行者は利用しづらい環境となっている。また、放置自転車対策に監視員が駐在、管理をすることで、ある一定の効果がある。しかし、犯罪を取り締まる意識からか殺伐とした印象を受けることがある。
ベンチなどはあるが好環境ではなく、有効利用されてなく、駅前の魅力が全くない状況である。狛江駅の利用者を出迎えるのは放置自転車と監視員という貧しい環境。
▲駅前の好立地にも関わらず、放置自転車対策として封鎖しており、デットスペースが生まれている。
▲花壇やベンチがあるのだが、有効利用されていない‥。
「駅前広場がだれにでも利用しやすいオープンカフェに生まれ変わりました。 テーブル席やベンチ席を揃え、家族連れやカップル、友達同士で是非ご利用ください。 日よけのパラソルも設置してありますので、晴れた気持ちの良い日にどうぞ駅前カフェに 遊びに来て下さい。もちろん愛犬をお連れの方もご利用できます。 わんちゃんにもおいしい狛江のお水をご用意いたします。」
こういう風景を想像してみる。解決すべき問題点はあるが、そこに自転車を放置するとは 考えづらく、協力的な概念(駐輪場の積極利用など)が市民の間で育まれるのではないか。
管理方法、ゴミ問題、騒音問題などはついてくるが、魅力的な街となり協力的な市民が集まる街になるのではないか。
たとえば‥
・駅前の飲食店舗のテラス席となる代わりに、各店舗はゴミ処理やクレーム対応など通常業務と同様に行い、各店舗・ボランティア・市役所職員が協力し合う。
ここでは放置自転車の監視員はカフェスタッフとなる。
市役所職員、幼稚園生、小、中、高校生、大学生、ボランティア、高齢者など大人数、数百人単位、一週間単位で放置自転車撲滅キャンペーンを実施。駐輪場の位置、金額を教え、一時利用の場合は一時利用専用(※)駐輪場を教える、など徹底的に周知する。
※長時間利用者と一時利用者は分けて考える。
※一時利用者が多い場合、フリーライド、シェアリングサービスを検討。
富山県の事例http://www.cyclocity.jp/
緑が多く、適度に落ち着いた通路で、舗装も整えられており、泉の森会館までは良い空間である。
しかし、各店舗等の室外機が通路に向けて排気されており、歩行者に排気があたり不快感を抱く。それゆえ裏通りの雰囲気を感じることがある。この通路にも放置自転車が点在しており、泉の森会館には監視カメラが付いてる旨の警告看板がある。
下の写真の中程にあるベンチに座ると視線は緑地保全地区の方に向けられる。
緑地を眺めるベンチとしては良いのだが、そうであればフェンスは取り除いた方が良いと思われる。あるいは緑地に合うデザインにするなど検討の余地はある。
このベンチは通りに対して背を向ける格好になり、ぐるっと回り込まないとならない配置をしてある。心理的にも物理的にも利用しづらいのではないだろうか。
狛江市の史跡である泉龍寺弁財天池とこの通路をより身近な関係にする。既存の縦格子のフェンスを取り除き、例えば低木の植栽や竹を編んだ低い塀にするなどベンチに座った時の視界をより魅力的にするような工夫を施す。そうすることで、ランチの時間にこのベンチで食事をとるなどといった行為が喚起され、ただの通路から人の流れが淀む広場のようになる。
また、ベンチは背もたれのないものを設置し、どちらを向いても、どちらから座ってもよいものとする。また車椅子の方と一緒に座ることが出来るようなものにしたり、一列に配置するのではなくランダムに配置するなど方法は様々である。
泉龍寺弁財天池説明板
狛江市史跡 泉龍寺弁財天池
この池は、市民に「しみず」という名で親しまれています。
「和泉」という地名もこの池からうまれたものと推定されます。
伝説によると、今から約千二百年以上も前の奈良時代に全国的な大旱魃があり、東大寺開山として有名な良弁
僧正がこの地において雨乞いを行ったところ、竜神が現れて雨を降らし、その時に水が湧き出したということです。
旧「和泉村」の雨乞いの行事をする 霊泉として信仰を集めてきました。
池の中島には元禄六年(1693)にできた石の祠があり弁財天がまつられています。
いつの旱魃にも涸れることなく、その豊富な水量で下流の水田の灌漑用水に利用されてきましたが、
昭和四十七年十一月に涸れつきてしまいました。昭和四十八年三月十二日に、狛江市史跡第一号に指定され、
復元工事が行われました。
平成十三年三月 狛江市