多摩丘陵の山を造成してできた住宅地の一画に建つ一戸建ての住宅。
敷地の条件としては建ぺい率40%(容積率80%)、壁面後退線が周囲1mと指定されている。
このことから敷地の60%の空き地の取り方が今回の計画のポイントとなる。
全面道路が坂道で既存の擁壁があるため、駐車方法は限られてくる。
駐車場の位置は空き地に余裕があるため、建物の外とした。
敷地を俯瞰してみると、東側・南側隣家は敷地境界付近まで迫っているが、
西側隣家は駐車場を挟んで建っているため、車1台分離れていて空き地がある。
平面計画の要望としては厨房を隠したいという1点のみであった。
コストを考慮する点から、水回りは前面道路にまとめる事とした。
以上の条件から、西側に壁面後退の規定を逆手にとった
1m以上の幅を持つ深いアプローチをとる事で、玄関を建物の中心に配置する事が可能となり、
室内の導線がコンパクトで、各諸室を収まるべきところに納める事ができた。